外壁材には、いくつもの種類があります。素材(金属サイディング・窯業系・木質系・ALC・タイル)と、板金だからできる貼り方(立平・横葺き・菱葺き・スパン)、そして色。どれを選ぶかで、外壁の持ち・重さ・暑さ・見た目、そしてメンテの手間が変わります。群馬・太田の永盛板金(創業1926年)が、この土地の気候(赤城おろしの強風・雹・夏の暑さ・冬の凍結)に合わせた選び方を、正直にお話しします。金属はおすすめしますが、選ぶのはお客様です。
永盛板金が施工した外壁。黒の木目調サイディング(横張り)に、縦張りの板金やタイル調を組み合わせた住まい。
板金屋がいちばんにおすすめする外壁材です。軽くて建物への負担が少なく、断熱材が一体になった製品が多いので、そのまま断熱性も上がる。凍害(凍結でのひび・欠け)にも強く、赤城おろしの強風や雹にも粘る。色柄も豊富で、金属らしい端正な見た目に仕上がります。
いま最も普及している外壁材で、レンガ調・石調など意匠のバリエーションが豊富です。ただ、板と板のあいだの目地シーリングは年数とともに痩せ・切れが出るため打ち替えが要り、表面も再塗装のメンテが前提になります。手を入れ続ければ長く使えます。
焼杉をはじめ、木の風合いを生かせる素材です。時とともに味が出る一方、定期的な手入れを前提に選ぶ外壁。設計の意図と、その後のメンテまで含めてご相談します。
軽量気泡コンクリート。断熱性・耐火性に優れる一方、素材そのものが水を吸いやすいため、表面の防水塗装を切らさないことが寿命を左右します。塗膜が守り、下地が保つ関係です。
タイルやモルタルは重厚で意匠性が高い素材です。ただ重いぶん建物への負担があり、モルタルはひび割れ(クラック)から雨が入らないよう、納まりと下地の管理が要ります。
既製品のサイディングを並べるだけが外壁ではありません。板金屋は、金属の板そのものを外壁に「貼る・葺く」ことができます。貼り方は、それぞれまったくの別物。向き(縦・横・斜め)や継ぎ方が変わると、建物の表情も、雨仕舞いも変わります。設計士に喜ばれる、永盛板金の領域です。
金属板を縦に通し、継ぎ目をハゼで立ち上げて連結する貼り方。継ぎ目が縦に走り、シャープな直線が出ます。外壁に縦張りすると、建物を高く、すっきり見せられます。継ぎ目が少なく、水が縦に流れ落ちるので、雨仕舞いにも有利です。
板を水平に流し、段を横に連ねる貼り方。継ぎ目や陰影が横方向に出て、建物を横長に、落ち着いて見せます。板は下から上へ積みますが、見えるラインは横に走る――これが横葺きです。この横葺きの材を、あえて縦に貼っても美しく仕上がります。永盛は自社の機械で長尺を成形できるため、2階建ての壁を、継ぎ目のない一本もので葺いたこともあります。継ぎ目が無いぶん、面がすっきり通り、雨仕舞いも有利です。
正方形の板を45度に振り、菱形(ダイヤ)に見えるよう斜めに組む意匠葺き。主に銅板で使う、伝統の手仕事です。細かな陰影が連続し、曲面にも追従しやすい。意匠性の高いアクセント壁に向きます。
断面が丸い波形の板。ガルバリウム・トタン・ポリカーボネートなどがあり、軽くて扱いやすい素材です。外壁では、水を縦に流すため縦張りが基本。機能とコストを重視する場面で選ばれます。
断面が角ばった(台形の)波形の金属サイディング。波板(丸波)との違いは、波が角で、リブが深いぶん板の剛性が高いこと。継ぎ目が目立ちにくく、住宅外壁からカバー改修まで幅広く使えます。今はガルバリウム製が主流です。
細いリブ(溝)を等間隔に持つ、意匠性重視の金属外壁材。角波が露出ビス留めなのに対し、角スパンは一般に板同士をはめ合わせる嵌合(かんごう)式で、留め具が表に出にくいのが特徴です。整ったシャープな陰影で、外壁を上質に見せます。
永盛板金が施工した、コンテナ風の金属外壁。黒く精悍な面に、留め具(ビス)が出ていません。
永盛板金が、ベンダーで自社加工してつくる、コンテナのように角ばった外壁材です。断面は働き幅72mm・凸の高さ35mm。貼り重ねると、留め具(ビス)が次の板の下に隠れるビス隠し――留め具が表に出ないので、黒く精悍な面が、まっすぐに通ります。ベンダー加工のため働き幅は±2mm程度で調整し、その建物にぴたりと合わせます。既製品では出せない、「板金でしか作れない外壁」です。
永盛板金の自社図面「コンテナ風サイディング 断面図」。働き幅72mm・凸の高さ35mm。留め具(ビス)は、次の板の下に隠れる(ビス隠し)。ベンダー加工のため働き幅は±2mm程度で調整します。
定尺の既製パネルに寸法を合わせるのではなく、寸法・形状を1cm単位で、長尺は最長6mまで一本ものとして精密に加工し、ご希望の形に仕立てます。変則寸法・変形面や、他にない意匠――「こういう壁にしたい」を、板金で形にします。
同じ貼り方でも、使う金属で、持ち・重さ・価格・見た目が変わります。外壁でよく使う材を、正直にご紹介します。
*数値(耐食倍率・板厚・耐用年数)は、メーカーや条件によって幅があります。実際の選定では、製品資料をもとにご提案します。
色は、見た目だけでなく暑さにも関わります。小さな見本で選ぶと、面積効果で実際の外壁は見本より明るく見え、後悔のもとになる。そして、黒系の濃い色は日差しを受けて表面温度が上がりやすい。方位(西日の当たる面)や、隣家からの見え方も含めて、実物の面で考えることをおすすめします。群馬は、隣の伊勢崎市で国内最高の41.8℃を記録した土地。色選びは、暑さ対策そのものです。
外壁の暑さ・寒さ対策は、表面材だけでは決まりません。断熱材一体型のサイディングを選ぶか、外壁材の裏に空気の層(通気層)をつくって湿気と熱を逃がすか。その通気層をつくる下地が胴縁(どうぶち)です。表面材・通気層・胴縁を一組で考えることで、結露を防ぎ、壁の中を長持ちさせます。
今ある外壁の上から、軽い金属サイディングを重ねて張るカバー工法(重ね張り)は、工期が短く、断熱もひと組足せます。ただ、下地が傷んでいれば、剥がして下から替える張り替えのほうが家のためになる。壁の中の状態を見て、どちらが良いかを現場で判断します。
永盛板金は、外壁材を1cm単位・最長6mまで精密に加工し、その家に合わせて納めます。外壁の勝負どころは、窓まわり・入隅出隅・軒との取り合い(納まり)。ここの雨仕舞いが甘いと、どんな高級な外壁材でも雨が入ります。板金屋だからこそ、外壁材と役物(板金の見切り・水切り)を一体で作って納められる。これが100年続く板金屋の芯です。
金属はおすすめします。でも、選ぶのはお客様しだいです。
外壁の面積・方位・お住まいの築年数・ご予算・デザインのご希望・メンテの手間に合わせて、素材・貼り方・色を、根拠をもってご提案します。まずは今の外壁を見せていただくところから。
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どの素材・貼り方・色が合うか、今の外壁を見せていただいて、根拠をもってご提案します。
1926年から続く知見と、職人の手仕事で、お住まいをお守りします。
TEL 0277-78-5683
気になるところから、どうぞ。素材選びから手入れまで、板金屋の視点で具体的にお話ししています。
外壁材の種類 ▶ 金属サイディング・窯業系・板金の貼り方(立平・横葺き・菱葺き・角波・コンテナ風のビス隠し)と色の選び方まで。金属はすすめますが、選ぶのはお客様。 外壁の役割とメンテナンス ▶ ひび割れ・シーリング・チョーキングの手入れ。窯業系サイディングと金属外壁、それぞれの点検と補修の勘どころ。急所は窓まわりの納まり。 外壁の記事 全一覧 ▶ 外壁の記事を、書き手(一級技能士ほか)・テーマ・地域で絞り込み。私たちは、1926年から続く技術を次世代の職人へ繋ぐため、皆様からの率直なご意見を大切にしています。
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