雨樋の種類 ―― 素材・形・落ち葉除け・寸法で選ぶ|群馬・太田の永盛板金
永盛 斉(Hitoshi Nagamori)
株式会社永盛板金 三代目代表
館林市 K様邸(設計:子育て世代の設計室様)。軒樋=タニタ「スタンダード半丸120」、竪樋=「ガルバリウム丸たてとい」75Φ、色=タニマット シルバー。ガルバリウム鋼板の半丸を、群馬の気候に合わせて納めた実例です。
雨樋は「どれも同じ」ではありません。素材と形、そして寸法で、持ちも、掃除の手間も、家の見た目も変わります。群馬・太田の永盛板金が現場で見てきたことを、正直にお伝えします。
素材で選ぶ
金属(ガルバリウム鋼板)―― いちばんのおすすめ
軽く、錆びにくく、欠けにくい。夏の暑さ・群馬の雹(ひょう)・冬の凍結――どれにも金属は強い。塩ビのように、暑さや雹で割れたり、凍って膨れて割れたりすることがありません。だから私たちは、まず金属の雨樋をおすすめします。金属を勧める理由は「長持ちする金属製雨樋のすすめ」に詳しく書いています。
銅・ステンレス(金属)
銅は、時とともに緑青(ろくしょう)の風合いが出て、和の住まいに映える素材です。ただ、正直な話をします。近年は酸性雨などの影響で、昔ながらの銅の雨樋に穴が開いてしまう(ピンホール)ことがあります。屋根の瓦の釉薬から溶け出した成分や、雨水が一点に集中して当たる摩擦も、銅の傷みに重なります。
そこで今は、銅の風合いを活かしながら耐久性を高めた製品も選べます。たとえばタニタの「SusCu(サスク)&スーパー銅雨とい」。SusCuは、0.3mm厚のステンレス鋼と、メッキの約10倍にあたる0.1mm厚の純銅を熱融着したハイブリッドの雨といで、内面のステンレスが耐候性を担います。スーパー銅雨といは、内面を特殊塗料でコートして耐久性を高めています。永盛板金は銅板の屋根や雨樋も手がけてきました。素材のこうした事情まで踏まえて、ご提案します。
塩ビ(塩化ビニル)
安価で、広く使われている素材です。ただし、弱点があります。ジョイントや出隅(曲がり)が、夏の南面の暑さで壊れやすい。雹が当たると割れやすい。寒い地域では、中で水が凍って膨張し、割れてしまうことがあると言われます。価格は魅力ですが、群馬の気候では、この弱点を知ったうえで選ぶことが大切です。
形で選ぶ
半丸(はんまる)―― おすすめの形
底が丸く、水が底を流れる形です。勾配(かたむき)をつければ、砂やゴミも水と一緒に流れやすい。掃除の手間を減らしたいなら、半丸が有利です。
角樋・箱樋(かくどい)
底が広く、水を流せる量が大きい形です。無勾配でも流れる製品が多いのですが、底が平らな分、かえって砂がたまりやすいという面があります。すっきりした四角いデザインを求めて選ぶこともあります。掃除の頻度と見た目、どちらを取るかを一緒に考えます。詰まりの原因と対策は「みどり市 雨といが詰まる理由(落ち葉・風・雹)」で詳しくお話ししています。
桐生市 H様邸(直営工事・雨樋の架け替え)。軒樋=パナソニック アイアン「パラスケア U105」(塩ビ)、竪樋=角形状のたてとい S30、色=しんちゃ。ヘッダーの半丸(館林K様邸)と見比べると、形の違いが分かります。
この桐生の現場では、金属の雨樋もあわせてお見積もりしました。結果は、塩ビのほうが手頃で、お客様がこちらを選ばれました。私たちは金属をおすすめします。ですが、弱点も手頃さも正直にお伝えし、「金属でなければ受けない」ということはしません。金属はすすめる。でも、選ぶのはお客様しだいです。
落ち葉への備え ―― 立地に合わせた三つの手
木々に囲まれた立地では、落ち葉が雨樋に溜まり、詰まりの原因になります。危険な高所での掃除も、できれば減らしたい。備え方は、大きく三つあります。
① 落ち葉除けが組み込まれた金属の樋(元旦内樋)
永盛板金は、屋根材メーカー・元旦ビューティ工業の「元旦リルーフメンバーズ」の正規会員で、その製品を正規に扱えます。「元旦内樋(うちどい)」は、落ち葉除けが樋そのものに組み込まれた金属の雨樋です。
- 落ち葉除けが、樋への落ち葉の入り込みを防ぎ、高所での掃除の手間を減らす
- 雪や台風に強い(メーカーの社内試験で、積雪150cmまで耐える性能。2018年・新潟での試験)
- 金属(カラーガルバリウム鋼板・ステンレス・チタン・銅板/板厚0.5mm)で、金属屋根も和瓦も平板スレートも、新築でも後付けでも取り付けられる
② 既存の雨樋に後付けする「落ち葉よけネット」
いま付いている雨樋を活かしたい場合は、軒樋の上に落ち葉よけネットを後付けする方法があります。たとえば、パナソニックの「落葉よけネット」(樹脂製。軒先に挿入して固定する後付けタイプ)や、積水化学(エスロン)の「ESLONET(エスロネット)」などです。いま使っている雨樋のサイズ・形に合う製品を選びます。
③ そもそも詰まりにくい形(半丸+勾配)
底を水が流れる半丸に勾配をつければ、多少のゴミは水と一緒に流れやすい。落ち葉の少ない立地なら、これだけで十分なこともあります。
正直にお伝えします。①も②も「付ければ掃除ゼロ」ではありません。メーカー自身が「落ち葉除けの孔より小さな葉や砂は入ることがある/設置環境に応じてメンテナンスが必要」と明記しています。落ち葉の少ない立地に、高機能な製品を一律に勧めることはしません。周りの木々の量を見て、どこまで備えるかを一緒に決めます。
寸法(サイズ)で選ぶ
同じ半丸でも、太さがいくつもあります(半丸105mm・120mm など)。屋根の面積と雨量に合った太さを選ばないと、大雨のときに水があふれます。たとえば館林市のK様邸(設計:子育て世代の設計室様)では、軒樋にタニタの「スタンダード半丸120」(半丸120mm・ガルバリウム鋼板)、竪樋に「ガルバリウム丸たてとい」75Φを、色はタニマット シルバーで選びました。屋根が大きく雨量を受ける建物には、太めの半丸を合わせます。「なんとなく標準」で付けるのではなく、その家の屋根に合う寸法を選ぶ。雨樋選び全体の考え方は「群馬 失敗しない雨樋修理の全知識」にまとめています。
どの素材・どの形が、あなたの家に合うか。屋根材・軒先先端の形状・立地(木々の有無)・雪の量まで見て、一緒に選びます。まずは今の雨樋を見せてください。
株式会社 永盛板金
三代目代表 永盛 斉
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