【三代目の確信】1次防水で止める。それが1926年から続く板金職人の本分です

【三代目の確信】1次防水で止める。それが1926年から続く板金職人の本分です

永盛 斉(Hitoshi Nagamori)

株式会社永盛板金 三代目代表

1次防水で止める|群馬・太田の建築板金 永盛板金

見えない防水層に、私たちは頼らない

屋根の板金の下には、もう一枚、防水のためのシートが敷かれています。建築の世界ではルーフィングと呼ばれる、いわば最後の砦です。屋根は二段構えで建物を守っている。これは、現代建築における基本であり、正しい備えだと私も思います。

しかし、私は職人たちにいつもこう言います。「そのシートに頼るな」と。

これは決して、2次防水であるルーフィングを軽視しているわけではありません。むしろ逆です。その重要性を誰よりも理解しているからこそ、私たちはそれに頼るような仕事を自分たちに禁じているのです。私たちの仕事は、表面に見えている板金、すなわち1次防水で完全に水を止めること。その下に敷かれたシートの出番が来るような事態を、そもそも作らない。それが、私たち株式会社永盛板金が、創業した1926年から守り続けている心構えです。

私たちの仕事は、2次防水を眠らせておくことです。

水と喧嘩せず、付き合うという知恵

なぜ、そこまで1次防水にこだわるのか。それは、水との付き合い方を、先代である父から、そう教わってきたからです。水は、力で無理やりねじ伏せようとすれば、必ず隙間を見つけて侵入してきます。建物が呼吸し、伸縮する中で、ほんのわずかな歪みから道を見つけてしまう。だから私たちは、水と喧嘩をしません。

板金職人の手仕事とは、水の流れを読み、その性質を理解し、巧みに受け流してやるための知恵の結晶です。軒先で雨水を切る「唐草」の先端に施す「水返し」。壁との取り合い部分を折り込む「あざ折」。一枚一枚の板金を繋ぐ「縦ハゼ」の締め方。これらはすべて、水を優しく導き、あるべき場所へ流すための作法なのです。

この作法を尽くさず、ただ板金を被せて「あとは下のシートが何とかしてくれる」と考えるのは、職人としての本分を放棄することに他なりません。それでは、ただの「作業」です。私たちは、先人たちが百年にわたって培ってきた知恵を、一枚の鉄板に込める「仕事」をしたい。こうした姿勢が、結果的に群馬での雨漏り施工において、確かな実績となって表れています。

板金で、水を切る。

この短い言葉の裏には、水という大いなる自然への敬意と、職人としての矜持が詰まっています。

保険は、あくまで保険として

もちろん、予期せぬ事態は起こりえます。巨大な飛来物で板金が物理的に破損する。あるいは、設計の想定をはるかに超えるような異常気象。そうした万が一の際に、2次防水は最後の防衛ラインとして極めて重要な役割を果たします。ですから、その存在を否定することはありえませんし、私たちも施工基準に則って丁寧に敷設します。もちろん、定期的な群馬での屋根メンテナンスも、建物を守るためには不可欠です。

私が申し上げたいのは、心構えの問題です。はじめから保険に頼ることを前提とした作りは、必ずどこかに甘えを生みます。それは時に、業界全体の構造的な課題にもつながっていくのかもしれません。効率やスピードが優先されるあまり、職人の手仕事が介在する余地が減り、部材を組み合わせるだけの施工が増えていく。そうなると、どうしても納まりの精度は落ち、見えない2次防水への依存度が高まっていく。私は、そうした風潮を静かに見てきました。

しかし、私たちはその道を選びません。1926年(大正15年)創業の企業として、私たちが守るべきは効率や流行ではなく、建物の寿命そのものだと考えているからです。保険が発動しないことこそが、最良の保険なのです。そのために、私たちは今日も現場で、設計図には描かれない数ミリのせめぎ合いを続けています。

一枚の鉄板に込める、百年企業の誇り

1次防水で水を止めきる。そのために、私たちの仕事は細部に宿ります。例えば、長い屋根を施工する際、搬入経路や建物の条件、そしてご予算が許すなら、私たちは継ぎ目のない「一本もの」の鋼板を使いたいと考えています。途中に継ぎ目があれば、そこは潜在的な弱点になるからです。工場で成形した長い一枚板を現場で葺き上げる。手間も技術も要しますが、水の浸入リスクを根本から断つための、一つの理想形です。これは工場や倉庫で使われる折板屋根などでも応用される考え方です。

実は弊社では、横葺きの屋根材を成形する機械も、自社で持っています。これを使えば、長さの制約なく、一本もので出すことができる。さらに、機械を現場に持ち込んで、その場で成形しながら葺くこともできます。継ぎ目を極力減らすための、私たちにとって心強い設備です。

ただし、これもまた予算との兼ね合いです。正直に申し上げれば、今は既製品の屋根材のほうが、安く仕上がることも少なくありません。一本ものは、その分どうしてもコストがかかる。ですから「一本ものが常に正解だ」とは申しません。建物の条件とご予算を見比べた上で、その家にとっての最善を、お施主様と一緒に選んでいく。理想の納め方を知り尽くした上で、現実の最適を選び取る。それが、失敗しない屋根工事・修理の秘訣でもあるのです。

また、雨仕舞の肝となる谷や壁際は、既製品に頼らず、職人がその場で一枚の鉄板から切り出し、折り、叩いて作り上げます。建物の形は一つひとつすべて違う。その個別の条件に完璧に合わせるには、職人の手による「現場合わせ」以外に方法はないからです。こうした金属屋根工事は、私たちの真価が問われる場面です。

こうした手仕事は、残念ながら、完成してしまえばほとんど人々の目に触れることはありません。しかし、その見えない部分にこそ、私たちの存在価値がある。先代が、そして私が、若い職人たちに口を酸っぱくして伝えてきたのは、この見えない部分への誠実さです。機能性はもちろん、高級感のある仕上がりにも、この誠実さが反映されると信じています。

屋根は、ただ雨を凌ぐだけの「蓋」ではありません。その下で営まれる暮らしと、そこに住む家族の安心を、何十年にもわたって静かに支え続ける、建物の最も重要な部分です。その責任を、私たちは板金一枚一枚に込めているつもりです。

板金職人の本分

屋根に降った雨は、板金の表面を流れ、軒先から地上へと還っていく。その当たり前の光景を、何十年先も当たり前に続けること。そのために、見えない防水シートに頼るのではなく、自分たちの手仕事で、表に見える板金だけで水を止めきる。

それが、大正時代から続く、私たちの変わらぬ本分です。

もし、ご自身の建物の屋根について気になることがあれば、いつでもお声がけください。一人の職人として、正直にお話しできることだけをお伝えします。

よくあるご質問

Q1. なぜ2次防水に頼らないのですか?

2次防水は万が一の保険であり、それに頼る前提の仕事は甘えを生むからです。私たちの本分は、表面の板金(1次防水)だけで完全に水を止めること。それが建物の寿命を守る最善の方法だと、1926年の創業以来考えています。

Q2. 「水と喧嘩しない」とはどういう意味ですか?

水を力で抑え込もうとすると、わずかな隙間から侵入します。そうではなく、水の流れを読み、水返しやあざ折といった職人の知恵で巧みに受け流し、あるべき場所へ導く。これが水との正しい付き合い方だと考えています。

Q3. 継ぎ目のない「一本もの」の屋根は施工できますか?

はい、可能です。弊社では屋根材を成形する機械を自社保有しており、現場の条件やご予算に応じて継ぎ目のない一枚板での施工もご提案します。水の浸入リスクを根本から断つ理想的な工法の一つです。

Q4. 既製品を使わず、職人が手作業で作る部分とはどこですか?

雨仕舞の要となる谷や壁際など、建物ごとに形状が異なる複雑な部分です。既製品では完璧に納まらないため、職人が現場で一枚の鉄板から切り出し、折り、叩いて、その建物に最適な形を作り上げます。

防水と屋根工事の哲学

1次防水で水を止めるという哲学について、関連する記事をご紹介します。

まとめ:私たちの変わらぬ本分

屋根に降った雨を、何十年先も当たり前に地上へと還す。そのために、私たちは見えない防水シートに頼るのではなく、自分たちの手仕事で、表に見える板金だけで水を止めきります。それが、1926年から続く永盛板金の変わらぬ本分であり、お客様の暮らしを守る責任の果たし方だと考えています。

株式会社 永盛板金
三代目代表 永盛 斉

— 防水・屋根工事のご相談はこちら —

1926年から続く知見と、職人の手仕事で、お住まいをしっかりお守りします。
下記のLINEまたはお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

▶ LINEで相談する ▶ お問い合わせフォーム

公開日: 2026年07月01日 | 株式会社永盛板金

https://www.nagaban.jp/

SINCE 1926
株式会社永盛板金 — 妥協なき美しさと機能性を、次の 100 年へ。