【職人の本音】破損したALC外壁を美しく強固に改修。部分張り替えとコーナーガードの知恵
永沼 健太(Kenta Naganuma)
一級建築板金技能士
施工前:ALCの角が激しく崩落し、内部の防錆塗装された鉄骨が露出してしまっています。
こんにちは!永盛板金 職人の永沼健太です。
今回は、大型トラックやフォークリフトが頻繁に行き交う、ある倉庫の荷受場(プラットホーム)の柱外壁の改修に伺いました。頑丈なコンクリート下地の上に張られたALC(軽量気泡コンクリート)ですが、やはり車両の接触等によって角が大きく削れ、内部の鉄骨構造が見えてしまうほどのダメージを受けていました。
外壁の破損は建物の美観を損ねるだけでなく、雨水が侵入して骨組みを錆びさせる原因になります。単に見た目を塞ぐだけでなく、将来の「もしも」にも耐える強固な補強を施しました。
1. 表面的な穴埋めはしない。痛んだ部分の「全張り替え」
このような大きな崩落に対し、モルタルやパテを厚く盛るだけの補修では、強度が足りず数年でポロポロと剥がれ落ちてしまいます。そのため、今回は破損した範囲のALC板をすっきりと四角くくり抜き、下地の鉄骨ベースを露出させた上で、新しい専用ALC板をピタリとサイズを合わせてはめ込む「部分張り替え」工法を選択しました。
ビスを打ち込む位置、パネル同士の絶妙なクリアランス、そして建物の呼吸に合わせる目地処理など、元々の壁と完全にフラットに一体化させるにはミリ単位の微調整が必要です。
施工中:鉄骨の骨組みに合わせて新しいパネルを強固に固定。隙間にはこの後、止水性の高いシーリングを充填します。
2. 再発を防ぐための工夫。鉄骨役物によるコーナーガード
新しいALC板を張り直した上で、ここからが今回の改修の最も重要なポイントです。この場所が「荷受場」である以上、将来的に再びフォークリフトや荷物が擦れてしまう可能性はゼロではありません。
そこで、張り替えた角部分を保護するために、視認性の高いイエローカラーに塗装した厚みのあるL字型の鉄骨アングル(役物)をコーナーガードとして使用しました。万が一、軽い接触があっても、アングルが衝撃をすべて受け流し、内側のALCを完全にガードします。ただ直すだけでなく、その場所の環境に合わせた「引き算と足し算の設計」を施すことが、長く建物を守るために決して欠かせません。
完了:下部をしっかりシールし、黄色いアングルを外壁に同化固定。機能性と安全性が劇的に向上しました。
よくあるご質問
Q1. 自宅のALC外壁にひび割れやカケがあるのですが、部分的に直せますか?
はい、対応可能です。今回のような大きな崩落ではなく、軽微なひび割れや小さなカケであれば、専用の補修材(エポキシ樹脂やALC専用パテ)を用いて、周りの模様(パターン)と馴染ませる部分補修が可能です。状態に合わせて最適な工法をご提案します。
Q2. 住宅の出隅(角)にもこのようなガードを付けることは可能ですか?
可能です。一般の住宅では今回のような無骨な鉄骨アングルではなく、外壁の色やデザインに調和するガルバリウム鋼板を薄くスマートに加工した「コーナー役物」を製作して取り付けることが多いです。車庫入れ時の擦れ防止や、見た目のシャープな引き締め効果に繋がります。
Q3. 工場や倉庫のALC外壁だけの改修も依頼できますか?
はい、承っております。永盛板金は群馬県太田市を拠点に、住宅だけでなく倉庫・工場といった大型施設の外壁改修も数多く手掛けてきました。破損箇所の状態を拝見し、部分張り替えで済むのか、補強まで必要かを見極めた上でお見積りをお出しします。
Q4. 破損を放置すると、どのような不具合につながりますか?
最も注意したいのは、露出した割れ目から雨水が侵入し、内部の鉄骨を錆びさせてしまうことです。錆は建物の骨組みそのものの寿命を縮めます。見た目の問題だけでなく、構造の健全性を守るためにも、早めのご相談をおすすめします。
金属の技で、建物の弱点を守る
外壁の補強や板金加工について、関連する記事をご紹介します。
まとめ:建物の弱点を、強みに変える
住宅であれ、工場や大型倉庫であれ、建物の「角(出隅)」は常に何かがぶつかったり、風雨のダメージを真っ先に受けたりする一番の弱点です。だからこそ私は、一度壊れた場所は、壊れる前よりも強くして返すことを心がけています。それが、板金や鉄骨といった金属加工の技術を持つ私たちの役割であり、プライドです。美しく、そして何より強固に生まれ変わった柱を見て、倉庫のスタッフの皆様がより安心してスムーズに作業に集中できるようになれば幸いです。私たちは今日も、最高の一手を創り続けます。
株式会社 永盛板金
一級建築板金技能士 永沼 健太
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公開日: 2026-07-06 | https://www.nagaban.jp/

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