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カバー工法と葺き替えを徹底比較|屋根リフォームの選び方



【四代目の視点】カバー工法と葺き替えを徹底比較 ── 屋根リフォームの選び方

永盛板金 施工写真

永盛板金 施工写真

永盛 睦宜(Yoshiki Nagamori)

株式会社永盛板金 四代目候補 / Yahoo!ショッピング店「SHEET METAL NAGAMORI」担当

こんにちは。
株式会社永盛板金の四代目候補、永盛 睦宜です。
「うちの屋根、そろそろ何かしないといけないのかな?」
「カバー工法と葺き替え、どっちを選べばいいんだろう?」
築20年を超えたお家のオーナー様から、よくいただくご質問です。今日は、屋根リフォームの2大選択肢である「カバー工法」と「葺き替え」を、四代目候補として徹底比較してみたいと思います。
それぞれにメリット・デメリットがあり、お家の状態によって最適な選択は変わります。営業トークではなく、判断のための知識として、ぜひ最後までお付き合いください。

そもそも、屋根リフォームの選択肢は何がある?

屋根リフォームの選択肢は、大きく分けて以下の3つです。

屋根リフォームの3つの選択肢

  • 屋根塗装:既存の屋根材を塗り直す軽メンテナンス
  • カバー工法(重ね葺き):既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねる工法
  • 葺き替え:既存の屋根材を撤去し、新しい屋根材に交換する工法

今日のテーマである「カバー工法」と「葺き替え」は、どちらも屋根材そのものを新しくする本格的なリフォームです。塗装ではもう延命できない段階、もしくは雨漏りが発生している段階で検討される選択肢です。

カバー工法とは

カバー工法は、別名「重ね葺き(かさねぶき)」とも呼ばれます。既存の屋根材をそのまま残し、その上から防水シート(ルーフィング)を敷き、さらに新しい屋根材を被せて施工する方法です。
近年、スレート屋根のリフォームで主流になりつつある工法で、特に「ガルバリウム鋼板を上から被せる」パターンが多く採用されています。

カバー工法のメリット

  • 工期が短い(既存屋根の撤去工程がない)
  • 廃材が出ない(処分費用がかからない)
  • 葺き替えと比べて費用を抑えられる
  • 断熱性・遮音性が向上(屋根が二重になるため)
  • 工事中も住み続けやすい(屋根を剥がさないので雨に対するリスクが低い)

カバー工法のデメリット・注意点

  • 瓦屋根には基本的に施工できない(瓦の上に重ねる構造ができない)
  • 屋根が二重になるため、建物への重量負荷が増える
  • 下地(野地板・ルーフィング)が傷んでいる場合は施工不可
  • 既存の屋根が雨漏りしている場合、根本的な解決にならない可能性がある
  • 将来、葺き替えをする際に解体費用が増える

葺き替えとは

葺き替えは、既存の屋根材をすべて撤去し、下地(野地板・ルーフィング)から新しく作り直して、新しい屋根材を施工する本格的なリフォームです。
屋根を「裸」の状態にしてから工事するため、下地の状態もすべてチェックでき、必要に応じて補修や交換ができます。雨漏りの根本原因を断つには、葺き替え以外の選択肢がないケースも多くあります。

葺き替えのメリット

  • 下地から作り直せる(根本的な解決ができる)
  • あらゆる屋根材から、あらゆる屋根材へ変更が可能
  • 瓦屋根からの軽量化(瓦→ガルバリウム)で耐震性が向上する
  • 建物への重量負荷を下げられる
  • 長期的な安心感が大きい(下から作り直すため)

葺き替えのデメリット・注意点

  • カバー工法と比べて費用がかかる
  • 工期が長い(既存屋根の撤去・処分の工程が入るため)
  • 廃材が大量に出る(処分費用が発生)
  • 工事中、屋根が剥がれる時間帯があるため天候のリスクがある
  • 工事の音や振動が大きくなる場合がある

どちらを選ぶべきか?判断のポイント

「結局、自分の家にはどちらが向いているの?」というのが、一番気になるところだと思います。判断の基準を、いくつかの観点から整理してみます。

1. 既存の屋根材の種類

これが最初の分岐点です。

  • 瓦屋根→ 基本的に「葺き替え」一択
  • スレート屋根(コロニアル等)→ どちらも選択可能
  • 金属屋根(トタン・ガルバ)→ どちらも選択可能
  • アスファルトシングル屋根→ どちらも選択可能

瓦屋根の場合、瓦の凹凸の上に新しい屋根材を重ねる構造が物理的に困難なため、ほとんどの場合は葺き替えになります。屋根材の種類については、屋根材6種類を徹底比較もあわせてご覧ください。

2. 下地(野地板・ルーフィング)の状態

ここがプロの判断が必要な領域です。下地が健全であればカバー工法、傷んでいれば葺き替えが基本ルールです。
雨漏りが発生しているお家、軒天にシミが出ているお家、築30年以上のスレート屋根のお家は、下地まで影響が及んでいる可能性が高く、カバー工法を選んでも根本解決にはならないケースがあります。
現地調査の際、下地の状態をしっかり確認してくれる業者を選んでください。「とにかくカバー工法で安くやりましょう」とその場で契約を急かす業者には注意が必要です。

3. 築年数

あくまで目安ですが、以下のように考えていただけると分かりやすいです。

築年数別の目安

  • 築15〜25年:カバー工法が選択肢に入りやすい時期(下地がまだ健全な場合が多い)
  • 築25〜30年:カバー工法か葺き替えか、下地の状態次第
  • 築30年以上:葺き替えを推奨(下地まで寿命が来ている可能性が高い)

築年数別の屋根メンテナンス全般については、屋根メンテナンスの早見表|築年数別にやるべきこともご参照ください。

4. 今後そのお家に何年住むか

意外と重要なのが、ライフプランです。
「子の代まで継ぐつもり」「終の棲家として長く住みたい」というお家であれば、初期費用は高くても葺き替えで根本から作り直す価値があります。一方、「子供が独立したら家を売却するかも」「10〜15年後に建て替えを検討している」というお家であれば、カバー工法でコストを抑える選択も合理的です。

4代目として、本音をお伝えすると

ここからは、ちょっと業界の本音の話をします。
カバー工法は、ここ10年ほどで急速に主流になった工法です。「費用を抑えられる・早い・廃材が出ない」という3拍子が揃っているため、リフォーム会社にとっても提案しやすく、お客様にとっても受け入れやすい工法です。
ただ、私が四代目候補として現場で見てきた経験から言うと、「カバー工法を選んだら、その判断は10年〜20年単位で家の運命を決める」ということを知っておいていただきたいんです。
下地が傷んでいるのにカバー工法でフタをしてしまうと、その下で進行している劣化は、表面からは見えません。気づいたときには、内部の野地板まで広範囲に腐食しているケースもあります。そうなると、次のリフォームの際は、解体費用が二重にかかる大規模工事になってしまいます。
逆に、下地がしっかりしている屋根に対してのカバー工法は、合理的で素晴らしい選択です。費用と効果のバランスが取れた、現代的なリフォーム手段だと思います。

【四代目から一言】

大切なのは、「下地の状態を正直に診断してくれる業者」を選ぶことです。カバー工法と葺き替え、どちらが正解かは、お家の状態を見てみないと分かりません。契約を急かす業者ではなく、選択肢を並べて一緒に考えてくれる業者を、どうかお選びください。

よくあるご質問

Q1. カバー工法の上に、もう一度カバー工法はできますか?

原則として、カバー工法は1回までとお考えください。すでにカバー工法を一度行っている屋根は、屋根材が二重になっている状態です。さらに上から被せると三重構造になり、建物への重量負荷が大きくなりすぎるため、現実的ではありません。次のリフォームは葺き替えになります。

Q2. カバー工法で使う屋根材は、何が一般的ですか?

ほとんどの場合、ガルバリウム鋼板が選ばれます。理由は、軽量で建物への負荷が少なく、耐久性も高いからです。同じ理由で、瓦屋根からの葺き替えでもガルバリウム鋼板が選ばれることが増えています。屋根材の種類については、屋根材6種類を徹底比較|価格・寿命・群馬での選び方の記事でも詳しく解説しています。

Q3. 葺き替えの場合、工事中の雨はどうするんですか?

基本的に、1日で「屋根を剥がす→ルーフィング(防水シート)を敷く」工程まで完了させるのがプロの仕事です。屋根材自体の取り付けは数日かけて行いますが、防水シートが敷かれていれば雨漏りはしません。天気予報をしっかり見ながら、雨が降りそうな日は屋根を開けないように工程を組みます。経験豊富な業者であれば、天候リスクは最小限に抑えられます。

Q4. 火災保険は使えますか?

台風や強風、大雪などの自然災害が原因の屋根の損傷であれば、火災保険が適用される可能性があります。ただし、経年劣化による損傷は対象外です。当社では、保険会社への提出書類のサポートも承っております。詳しくは火災保険申請・調査報告書のポイントの記事をご覧ください。

屋根リフォームの選択肢について、関連する記事をご紹介します。

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まとめ:下地の状態を、正直に診断してくれる業者を

カバー工法も葺き替えも、それぞれに合った場面があります。下地がしっかりしていればカバー工法は費用と効果のバランスが取れた合理的な選択ですし、下地が傷んでいたり築30年を超えていたりするなら、葺き替えで根本から作り直す価値があります。一番大切なのは、お家の下地の状態を正直に診断し、選択肢を並べて一緒に考えてくれる業者を選ぶこと。費用や工期だけで決めずに、10年後、20年後の家の状態まで見据えた判断をしていただければと思います。

株式会社 永盛板金
四代目候補 永盛 睦宜

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